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ウイスキーはこうやって生まれる!製造工程の現場から(第三段は、蒸留編)

こんにちは、小諸蒸留所の広報担当です。
前回のブログでは、甘い麦汁が酵母によってアルコールに変身する様子をご紹介しました。
今回は、いよいよそのアルコールを濃縮させる「蒸留」の工程に迫ります。

粉砕(ミリング):大麦麦芽を粉砕し、糖化しやすい状態にします。
糖化(マッシング):粉砕した麦芽に熱湯を加え、糖分を抽出します。
発酵(ファーメンテーション):酵母を加え、糖分をアルコールに変えます。
蒸留:発酵液を蒸留し、アルコール度数を高めます。
熟成:蒸留した液体を樽に移し、熟成させます。

まずウイスキーは「蒸留酒」に分類されますが、蒸留とは、液体を沸騰させて蒸気を冷却し、再び液体に戻すことで、アルコール度数を高める工程です。お酒を作る上で蒸留は欠かせない工程で、アルコールを濃縮し度数を高めるだけでなく、香りや風味も凝縮させます。

小諸蒸留所では、スコットランドの伝統的なポットスチル(蒸留器)と呼ばれる銅製の釜を使って、2回の蒸留を行うことで、繊細かつ複雑な風味を持つウイスキーを造り上げています。

(オーダーメイドで造られた蒸留器)

ポットスチルの向かいには、金色の縁取りをされた四角いガラスの箱があります。これは、「スピリッツセーフ」(検度器)と呼ばれ、蒸留において重要な役割を果たします。
その役割とは、蒸留後の原酒の最も良質な部分を抽出する「ミドルカット」という工程です。
ミドルカットとは、蒸留の際に最初に出てくる雑味が多い部分と、最後に出てくるアルコール度数が低い部分を切り捨てることで、最も風味豊かな部分だけを取り出す作業です。 ミドルカットのタイミングは、蒸留チームの経験と化学的な分析に基づいて行われているので、丁寧な作業の様子をぜひご覧ください。

(スピリットセーフを流れる蒸留酒を分析するスタッフ)

(サンプルをチェックするイアン・チャン)

また、蒸留されたばかりの液体は「ニューメイク」と呼ばれます。ニューメイクは、まだ樽で熟成されていないため、アルコール度数が高く、生の穀物やフルーツのような香りが特徴です。

このニューメイクをオリジナルジェラートとのペアリングで、蒸留所のバーにてお楽しみいただけます。蒸留所でしか味わえない組み合わせですので、ぜひお試しください。

(ニューメイク×オリジナルジェラート)

最後に、次回は蒸留した原酒を樽に移して寝かせる「熟成」の工程をご紹介します。

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